「好きだから」・・・それだけで決めていい？

今日はホームページを作る際に「イメージを決定する」という、まず一番最初に決める大事な作業についてのお話をしてみたいと思います。

好きなものとホームページのイメージが必ず合うとは限らない

「私は黒が好きだから、ホームページのイメージカラーは黒でお願いします！」という依頼があったとしましょう。そして、そのホームページが子ども向けの教室だったとしたらどうでしょう？絶対に黒イメージではおかしいですよね。

どんなに嫌われても全身全霊で「絶対に絶対にそれはやめた方がいいです！！」と伝えます。

聞いてもらえない場合もあるかもしれません。でもお客様にとってマイナスになると分かっている事は、生意気かもしれませんが意見させていただきたいです！

このような極端な例はないと思いますが、「自分が好き」＝「ホームページデザインに！」ということは必ずしも結びつけない方が良い場合が多いです。

個人の日記など、自分が好きなように書いている場合などは「自分の好きなもの」を全面に出していくのは全然OKなのですが、事業のコンセプトに合ったキーカラー選びはとても大切です。

色だけじゃない、雰囲気選びも大切

色だけでなく、雰囲気もそうです。

私がしっとり落ち着いたエステサロンを探していたとして、どんなにいいサロンだったとしてもホームページがまるで10代の子向けに作られたように「キラキラ・ハデハデ・デコりまくり」のイメージで作られたホームページだったら間違いなく行きません。

でも、お店のコンセプトが10代～20代前半の女性向けのターゲットだったら、これはこれで正解です。

以前、紫をメインカラーにした内科のクリニックのホームページリニューアルを担当する機会がありました。
その時に「このメインカラーだと、パッと見た時に産婦人科だと思いました。」と、伝えてメインカラーの変更を提案しました。

明るいオレンジや緑を使って、その内科のイメージを一新した所、「ホームページを見て」という患者さんの来院数が急激に増えたと嬉しいお言葉をいただきました！以前はホームページを見て来院される方は月に2~3人だったのが、多い時で月に50～60人になったそうです。
（もちろん、中身もかなり作り変えましたが）

自己満足で終わらないために

参考サイトをいくつか見て、「このサイトのようにして下さい！」という依頼もよくありますが、そのサイトのデザインの内容はあなたのお店や事業のイメージに合っていますか？

自分好みのいいデザインだ！という自己満足だけで結局の所、効果が出ないホームページなら仕方ないですよね。

でも私たち制作側の自己満足でも絶対にいけない。
モニターの向こうで、ホームページを見ている人の気持ち・目線・立場で徹底的に考えないといけない。

• 一番伝えたい事は何なのか？
• お店のコンセプトは何なのか？
• どんな人に見てもらいたいか？
• どんな印象を持ってほしいか？

しっかりと考え、きちんとデザインする。

でも、それを見た目だけのデザインではない使いやすさや導線も含めての全てがホームページデザインだと思うのです。

ホームページを作った人は分かると思いますが、自分で苦労して苦労して作ってそれなりにデザインも頑張って、時間もいっぱいかけて・・・

出来た時には最高傑作で「うん！イケてる！」と思います。それを否定されるのはとっても辛く悲しい事です。

私も自分で最初に作ったホームページなんか、今見ると記憶から消し去りたい位に「しょぼい・ダサイ」デザインでした。

本当に、「デザイン」と呼べるレベルではありませんでした。

でも、苦労して作った自分のホームページは心から最高傑作だと思っていました。イタイですね。

自分の好き・嫌いだけではなく、見ている人の気持ちを汲んでおもてなしする気持ちを忘れないこと。
クライアント側だけの自己満足だけでなく、制作者側だけの自己満足でもなく。

イメージを形にするのって難しいですね。
でも、日々それを追いかけ続けるしかないんです！「あなたに頼んで良かった！」と言われるために・・・